雑多邪道録

基軸は万年筆趣向。その他、時々の「好物」と「言葉」を心の中の風がそよぐままに・・・

水素イオン指数って? 其の1

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色とりどりの万年筆用インク。

昨今に一般に発売されているというだけでも500種類を下らないらしい。

 

そんな中、其々に使用するインクの特性によって

ペンを傷めてしまう可能性についても気になるところ。

 

この点、蒸留水同様、極力、不純物が排除された液体が使用されているならば

精々、乾燥させてしまわないように配慮すれば良いのだろうけれど

単純に考えても染料や顔料、防腐剤や定着剤などが混合された液体であろうし

つまりは、使用するインク自体、酸性やアルカリ性かの区別によっても

どれほどペン先などがダメージを受けるか否か

万年筆を使い始めてみた人ならば多くが気になってしまう壁ではなかろうか。

 

酸性、アルカリ性などを数値的に判断するためのph(ピーエイチ、ペーハー)。

つまり、液体中に含まれる水素イオン指数の値は

単に万年筆に使用するインクに対してのみならず

一般の日常生活上で大まかにでも気にしている方も多いことだろう。

 

例えば、毎日アルカリイオン(電解)水を飲む習慣のある人。

トイレ掃除の際には便器に弱酸性の洗剤を使用する人。

はたまた、食器洗いや台所掃除の際には弱アルカリ性重曹などを用いる人など。

 

要は、人間の大切なお身体と生活環境同様

恐らくこの先、傍らの友となるであろう万年筆さんのお身体において

日々体内(ボディー)に飲み込んで(吸入して)おられるインクには

その健康に影響するであろう性質のものがあるということ。

・・・らしい。

 

それでは、何が良くて何がどう駄目なのか。

正確には、どんな性質のインクに注意を必要とすべきか。

即ち、酸性やアルカリ性のインクはどんなもので

万年筆パーツのどこにどのような影響を与えてしまう可能性があるのか。

自らの拙い情報収集から備忘録的に記してみようと思う。

 

そこで先ずは、液体における酸性とアルカリ性

或いは、中性の数値的な区別について知って(心得て)おく必要がある。

この知識は、何もインクだけに係わることでもなく

一般の日常生活においても多少は役に立つ・・・と思う。

 

前述、酸性やアルカリ性などを判断するph(水素イオン指数)には

0~14までの段階的な数値があり

その数値の高低によって酸性かアルカリ性かの区別がされる(ようだ)。

それでは、どんなものがどんな数値になっているのだろうか。

次回のブログで追い追いと触れてみたいと思う。

 

しかし・・・今頃になってこんな話題に触れていると

中・高校生時代の理科にもっと熱心であるべきだったと痛感する。

 

 

足かけ40年の目からウロコ

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目からウロコ

もう40年ほど前のこと。

万年筆はパーカーかプラチナ!

中学に入学する前の蒼臭い少年。

大した経験も無いくせに、その勝手な思い込みから始まって
その約10年後に社会人となった矢先
舶来製品を持つにはおこがましいと思い
ならば、「自らに相応しい万年筆はプラチナしかない!」と
勇んで大阪の百貨店まで買い求めに行った記憶。

そうとは云うものの
当時どんなモデルの万年筆を買い求めたのか
全く以って記憶は不鮮明であり
精々、ペン先は18金であったことと
軍資金はたかだか5千円程度であったことのみ覚えている始末。

やがて、日々の仕事の中で愛用し続けて8年ほど経過した頃
不慮のアクシデントで悲しくも修理不能状態になり
給料支給直前でなけなしの財布をひっくり返して
またもや1万円弱だったプラチナ万年筆を購入した。

しかしてその2代目さんも
不慮の事故で、今度は行方不明と相成って
生活的な転機の影響で万年筆との親密なご縁から遠ざかり
そこからかれこれ約10年ほど経過した3年前頃。

何の気なしにぶらぶらと暇つぶしがてら訪れた家電量販店の文具売り場。
ガラスのショーケース中にあった
これまたプラチナのリーズナブルなデモンストレーターに魅了され
風の便りで底なしの深さとウワサに聞く沼の上に
浅はかにもタライ舟を浮かべて漕ぎ出すに至った。

何せずっと永らく万年筆ならプラチナ以外に目もくれず
とはいえ至極の高級な1本にも手を出すことも無く
ましてやひたすらに使い続けてきたのは純正の黒インクとあっては
最近になってから認識した各メーカー色とりどりのインクには驚きを隠せず
ネット通販画面で眺める他社製万年筆の数々にも興味を抱かずには居られない。

そんなこんなで
万年筆と云うものを握り始めてから約30年以上経過した昨今。
治まらぬ好奇心から、先ずはセーラー万年筆の1本に手を出してみた。
これまで知る由もなかった握りの感覚と書き心地の差を体感して
涎が出そうなほどの感動と同時に悦に入った。

かくして、自らに言い聞かせる。
万年筆はプラチナだけと思うべからず。

 

青(蒼)い万年筆

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世界遺産たる大聖堂の聖なる色

フランスにあるというシャルトル大聖堂

ユネスコ世界遺産にも登録されるほどの名所旧跡らしいが

正直なところ、ごくごく最近まで知識の片隅にも存在しなかった。

恐らく、万年筆というモノに興味すら抱いていなければ

生涯で認識する機会さえ無かったかもしれない。

 

この点、昨今幸いにも知るきっかけとなったのは

プラチナ万年筆の青い1本を手に入れたこと。

何とも深く、美しく、神々しく眼に押し寄せる青い色。

しかも、ステンドグラスの如く絶妙な透過色の素材が使用されたボディー。

デモンストレーターのスケルトンとは一味違った独特の風格を実感する。

 

無論、定番で黒々としたボディーの万年筆も十分に魅力的である一方

シャルトル大聖堂の比類なく美しいステンドグラスの青色に敬意を表して色味の再現を試みた(概略)」

というメーカーの拘りと特色あるボディーを纏った1本は

14金のペン先(ニブ)仕様であっても良心的な価格設定が為され

例えば、初心者であっても入門用としては価格も含めて手に取りやすく

ユーザーとなった満悦も手伝って、心なしかしたためる文字のリズムが子気味良い。

 

余談になるが、冒頭の写真では、ボディーの<透けてる感>撮影に少々苦労した。

キャップ内側にペン先(ニブ)、軸内にコンバーター等の影が見えることと思う。

決して、レントゲンか何かの特殊な撮影を行った訳ではなく

ペンの向こう側から全体的な光を当てるべく稚拙な知恵を絞ってみた。

 

尚、プラチナ万年筆の#3776シリーズに採用されるペン先(ニブ)は

他社同等モデルのものと比較すると大きめで弾力性にも富んでいて

万年筆愛好者の中でも好みが二分されていると噂で聞くけれども

因みに、自分は中字(M)のものに青色インク(Waterman)を入れて使用中ながら

インクフローの良さも手伝って、さらさらと心地よい筆記感には満足している。

 

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プラチナ万年筆

#3776 センチュリー シャルトル・ブルー

http://www.platinum-pen.co.jp/fountainpen_century_chartreblue.html