雑多邪道録

基軸は万年筆趣向。その他、時々の「好物」と「言葉」を心の中の風がそよぐままに・・・

約10年ぶりに万年筆と再会する

f:id:TOMOLION:20171003140535j:plain

プラチナ万年筆との再会と愛着

 かれこれ今からほんの3年ほど前のこと。

液晶画面と向き合う日々を送る中で

とある家電量販店に在る文房具売り場に立ち寄った。

それは大した目的も無く

「なんか面白そうなモノはなかろうか・・・」と

ほんの時間つぶし感覚での行動だった。

 

ノート類やサインペン類のコーナーをザーッと眺め終えて

ふとガラスのショーケース中に展示してあった品物に目をやった。

さして特別なモノを見てやろうという意識すら無く。

 

ショーケースの中には、少々値の張るペンの数々が展示してあった。

そうは云っても高価なモノで概ね1万円程度まで。

それなりに筆記具への興味は予てより持ち合わせていたが

ボールペン類への興味は特に無かったので、自ずと万年筆類に目をやる。

 

そこには日本三大万年筆メーカーの製品ばかりが並び

中でも30年以上も前から親しみ、懐かしいプラチナ万年筆製品に目がゆく。

歴史的にも古いセーラーやパイロットには目もくれず

ただただプラチナ万年筆に興味を持った。

それというのも

社会人として本格的に働き出した昭和の終わり頃

とある非営利会社のデスクワークが生業となり

その時に愛用し始めたのがプラチナ万年筆製で14金ペン先(ニブ)のモノ。

以来、その会社を去るまでの約20年間で都合2本を愛用し続けたからか・・・

 

しかしながらそれ以降、無意識のままに万年筆との縁も遠ざかり

気付けば10年程の時間が経過していた。

ましてや、思い出多い2本さえ何処かに失ってしまったまま。

 

デモンストレーターに惹かれて

そんなこんなで

専らプラチナ万年筆製品ばかりに目をやると

1本の透明ボディー万年筆に釘付けになった。

値段を見れば、さして高価とは云えないけれど

中身のインクが透けて見えるであろうクリスタル・ボディーの流麗さ。

恐らくクロム系のメッキが施された金属パーツの美しさ。

どんな書き味かは試してみなければ判らないけれど

兎に角、渇望するかの如く手に入れたくなった。

 

それもこれも

ウン十年も社会人生活を送ってきたにもかかわらず

自ら持ち合わせた万年筆世界の知識があまりに乏しく

ケルトンなボディー(軸)の製品が在ることすら知らなかったから。

ましてや、ペン先がステンレス製だということさえも・・・

 

思い立ったらもう一呼吸置く間もなく

係員を呼んでショーケースからその代物を取り出してもらい

レジでは2~3枚ほどの千円札を支払って

心浮かれてニヤニヤしたい気分を必死に抑えつつ勇んで帰路についた。

 

プラチナ万年筆 バランス シャイン・クリスタル 
中字:M(PGB-3000A #5)f:id:TOMOLION:20170930085223j:plain

 

なんとも実に約10年ぶりの記念すべき万年筆。

 

その後、ジワジワ、ボチボチと

底なしの沼地に足を踏み入れてゆくことなど

この時点では予期すらしない頃の話。

 

追伸>

本当はコンバーターも銀色に揃えた方が見栄えするけれど、今はこれでいいのです。