水素イオン指数って? 其の2(本編)
水素イオン指数は0~14までの間で定められ
その単位は「ph」(ペーハー、ピーエイチ)である。
数値はくれぐれも整数のみではなく
例えば、ph5.42やph11.405…など小数点以下の数値も認めうる。
また、数値は7(ph7.0)を中間として
小さくなれば酸性に近づき、大きくなればアルカリ性に近づく。
従って、前述の7付近の数値の場合は自ずと中性となる。
以下の図は、我々の日常生活で身近な物質や液体を例に
酸性から中性およびアルカリ性の範囲に至るまでを区分けしたもの。
これを見ると、水道水であっても決して中性のみではなく
弱酸性や弱アルカリ性の場合があるというのが興味深い。
また、疲労回復や健康に良いとされるクエン酸や食酢などだけではなく
ビールや日本酒およびブラックコーヒーなどの嗜好品は酸性または弱酸性であって
人の健康などへの作用や良し悪しは
単にph数値の基準によって単純に判断できるものでもないようだ。
かくして、いよいよ本題の万年筆用インクのph数値について
以下の図にとりまとめてみた。
但し、くれぐれも網羅的にまとめ上げたものではなく
ごくスタンダードなメーカーのインクを主体に
雑誌やネット上などの各方面に散らばっていた資料を集約したまで。
尚、この図からも判るとおり
海外メーカー製のブルー・ブラック系インクについては
概ね強い酸性の性質を有しているため
それぞれが愛用するペンに使用する際には
細心の配慮が必要となることを把握しておきたい。
吸入して定期的なメンテナンスもせず長期間放置していたあまりに
ペン先(ニブ)などが腐食して痛んでしまってからでは手遅れになる。
もっとも、例えば弱アルカリ性のセーラー製ブルー・ブラックを使用したとしても
約半年に1回ほどはメンテナンスする認識で居る方が
大切な1本のペンに休息を与える意味でも有効らしい。
最後に、掲載した図を参考にしてのインク選びは自由であるところ
くれぐれも、酸性だから悪い(良くない)インクで
アルカリ性だから良いインクだという基準ではない。
そもそも、本当は使わない方が良いというインクならば
各メーカーも製品化しないことだろうから・・・