#3776というシリーズ
プラチナ万年筆の#3776シリーズ
ほんの数年前に手に入れたことで触れたモデルだけれど
どうやらその歴史も1978年から始まっていたらしい。
最初に手にしたのは#3776 センチュリーだったことは
入手のタイミングとして本当に幸運だったと思う。
何故なら、インクの乾きを極力抑える「スリップシール機構」が
#3776シリーズのリニューアルに伴って搭載されたわけで
以前のバランスモデルなどには搭載されていなかったことを考えれば
軸やペン先のデザイン見直し等をも含めた満足感に差が生じたかもしれない。
ただ、この#3776センチュリーを初めて手にした時
ペン先の大振りなサイズ感や刻印のシンプルさに至るまで
インクを含ませてペンポイントを紙に走らせる以前であっても
既に安心感にも似た充実を得ていたように回想する。
ましてや、#3776シリーズのペン先(ニブ)に至っては
他メーカーモデルのラインナップとは一線を隔して
ステンレス製ゴールドプレート仕様のバランスモデル以外は
高価な上級モデルであっても、ほぼ統一された仕様なのが嬉しい。
勿論、世には様々なメーカーが在って
それぞれの書き味や使用感の好みもまちまちな故
#3776シリーズには今ひとつ馴染めない人も多数居ようが
その反面、熱心なファンも多いこともまた事実であって
今や自分もその一人となった。
これからも度ある毎にこのペンを握っては
あれこれと好みのインクで文字を記してゆきたいと思う。
そんな今日この頃。
水素イオン指数って? 其の2(本編)
水素イオン指数は0~14までの間で定められ
その単位は「ph」(ペーハー、ピーエイチ)である。
数値はくれぐれも整数のみではなく
例えば、ph5.42やph11.405…など小数点以下の数値も認めうる。
また、数値は7(ph7.0)を中間として
小さくなれば酸性に近づき、大きくなればアルカリ性に近づく。
従って、前述の7付近の数値の場合は自ずと中性となる。
以下の図は、我々の日常生活で身近な物質や液体を例に
酸性から中性およびアルカリ性の範囲に至るまでを区分けしたもの。
これを見ると、水道水であっても決して中性のみではなく
弱酸性や弱アルカリ性の場合があるというのが興味深い。
また、疲労回復や健康に良いとされるクエン酸や食酢などだけではなく
ビールや日本酒およびブラックコーヒーなどの嗜好品は酸性または弱酸性であって
人の健康などへの作用や良し悪しは
単にph数値の基準によって単純に判断できるものでもないようだ。
かくして、いよいよ本題の万年筆用インクのph数値について
以下の図にとりまとめてみた。
但し、くれぐれも網羅的にまとめ上げたものではなく
ごくスタンダードなメーカーのインクを主体に
雑誌やネット上などの各方面に散らばっていた資料を集約したまで。
尚、この図からも判るとおり
海外メーカー製のブルー・ブラック系インクについては
概ね強い酸性の性質を有しているため
それぞれが愛用するペンに使用する際には
細心の配慮が必要となることを把握しておきたい。
吸入して定期的なメンテナンスもせず長期間放置していたあまりに
ペン先(ニブ)などが腐食して痛んでしまってからでは手遅れになる。
もっとも、例えば弱アルカリ性のセーラー製ブルー・ブラックを使用したとしても
約半年に1回ほどはメンテナンスする認識で居る方が
大切な1本のペンに休息を与える意味でも有効らしい。
最後に、掲載した図を参考にしてのインク選びは自由であるところ
くれぐれも、酸性だから悪い(良くない)インクで
アルカリ性だから良いインクだという基準ではない。
そもそも、本当は使わない方が良いというインクならば
各メーカーも製品化しないことだろうから・・・
少しだけ脱線して外国語のお勉強を・・・
日本語:
このブログは主に、万年筆と万年筆用のインクについて書いてゆきます。
英語:
This blog wrote primarily about fountain pens and ink for fountain pens.
ドイツ語:
Dieses Blog schrieb in erster Linie um Füller und Tinte für Füllfederhalter.
やっぱ、語学って難しいなぁ・・・
以上。