雑多邪道録

基軸は万年筆趣向。その他、時々の「好物」と「言葉」を心の中の風がそよぐままに・・・

ドイツから来た小包

f:id:TOMOLION:20171001164548j:plain

小包到着

休日の朝、10時過ぎ頃

ベルが鳴り、玄関の扉を開けると郵便配達員の姿。

「お荷物でーす。サインか印鑑おねがいしまーす。」って。

 

<南米密林>で先週に注文していたモノが届いたわいな。

 

おお! 遥々ドイツから届いたよ!

<Germany>って明記されているし、間違いない。

f:id:TOMOLION:20171001165548j:plain

取り敢えず、送料は無料。

 

届いた品物はコレでした。

f:id:TOMOLION:20171001170115j:plain

無事に届いて何より。

 

しかし・・・

溺れるまではいかないまでも

概ね膝下あたりまで、噂に聞くかの沼にドップリ浸かってしまったかもなぁ(苦笑)

インクを使い分ける楽しみ

f:id:TOMOLION:20170930201252j:plain

黒色のカートリッジのみで過ごしていた 

かれこれ今から30年以上の昔。

社会人になってから日々の仕事で万年筆を使うようにはなったけれど

使用できるインクの色に豊富なバリエーションがあることなど

知っていたのは精々、ブルー・ブラック程度だったあの頃。

帳簿整理の仕事で使用が許されたのは専ら黒色のみだったこともあって

当時はプラチナ万年筆を使っていたけれど

会社から雑費で支給される黒色インクのカートリッジばかりを使っていた。

 

その頃、万年筆を使う頻度は一般より多かったと思う。

ただ、小学生時代に書道教室に通っていたので多少の自信もあったし

帳簿整理や文書作成の仕事以外に手書きで記すと云えば筆ペンの文字が殆んど。

専ら職場の同僚から都度に依頼を受ける祝儀袋や香典袋の表書きなどが日常。

その他、簡素なメモ書き等以外に文字を記す場面を思い返してみれば

例えば、友達などに手紙を書く必要があったとしても

当時は最新鋭だったワープロなんていう文明の利器に手を出す始末。

 

もっとも毛筆にはそれなりの自信があったものの、何故かペン字は大した自信もなく

所謂、ペン字や硬筆に至っては

ボールペンや鉛筆を問わずの強いクセ字だったこともあって

自らが記す文字に落胆と嫌悪すら感じていたのもこの頃。

 

20年余の時を経て出会ったカラー・インク

そんなこんなで

昨今になってようやく黒色以外のインクが各メーカーから発売されていることを知り

実のところ、先天的な要因で色に関して不確かな視力を持ち合わせているけれど

自らが素敵だ、綺麗だ、使ってみたいなど

もはや、大してあてにならない直感とセンスに依存しながら

様々なインク瓶を手にしてみることにした。

(実のところ、単に好みの色合いのみで選んでいるわけでもないけれども)

どうやらこれをその筋で一般に「インク沼に入る」というらしいが・・・

 

以下の写真はその一例。

好みのメモ用紙に相変わらずお粗末な文字だけれど恥をしのんで記してみた。

何れも其々に味わいのある素敵な色だと思う。

 

f:id:TOMOLION:20170930193947j:plain

 

 

約10年ぶりに万年筆と再会する

f:id:TOMOLION:20171003140535j:plain

プラチナ万年筆との再会と愛着

 かれこれ今からほんの3年ほど前のこと。

液晶画面と向き合う日々を送る中で

とある家電量販店に在る文房具売り場に立ち寄った。

それは大した目的も無く

「なんか面白そうなモノはなかろうか・・・」と

ほんの時間つぶし感覚での行動だった。

 

ノート類やサインペン類のコーナーをザーッと眺め終えて

ふとガラスのショーケース中に展示してあった品物に目をやった。

さして特別なモノを見てやろうという意識すら無く。

 

ショーケースの中には、少々値の張るペンの数々が展示してあった。

そうは云っても高価なモノで概ね1万円程度まで。

それなりに筆記具への興味は予てより持ち合わせていたが

ボールペン類への興味は特に無かったので、自ずと万年筆類に目をやる。

 

そこには日本三大万年筆メーカーの製品ばかりが並び

中でも30年以上も前から親しみ、懐かしいプラチナ万年筆製品に目がゆく。

歴史的にも古いセーラーやパイロットには目もくれず

ただただプラチナ万年筆に興味を持った。

それというのも

社会人として本格的に働き出した昭和の終わり頃

とある非営利会社のデスクワークが生業となり

その時に愛用し始めたのがプラチナ万年筆製で14金ペン先(ニブ)のモノ。

以来、その会社を去るまでの約20年間で都合2本を愛用し続けたからか・・・

 

しかしながらそれ以降、無意識のままに万年筆との縁も遠ざかり

気付けば10年程の時間が経過していた。

ましてや、思い出多い2本さえ何処かに失ってしまったまま。

 

デモンストレーターに惹かれて

そんなこんなで

専らプラチナ万年筆製品ばかりに目をやると

1本の透明ボディー万年筆に釘付けになった。

値段を見れば、さして高価とは云えないけれど

中身のインクが透けて見えるであろうクリスタル・ボディーの流麗さ。

恐らくクロム系のメッキが施された金属パーツの美しさ。

どんな書き味かは試してみなければ判らないけれど

兎に角、渇望するかの如く手に入れたくなった。

 

それもこれも

ウン十年も社会人生活を送ってきたにもかかわらず

自ら持ち合わせた万年筆世界の知識があまりに乏しく

ケルトンなボディー(軸)の製品が在ることすら知らなかったから。

ましてや、ペン先がステンレス製だということさえも・・・

 

思い立ったらもう一呼吸置く間もなく

係員を呼んでショーケースからその代物を取り出してもらい

レジでは2~3枚ほどの千円札を支払って

心浮かれてニヤニヤしたい気分を必死に抑えつつ勇んで帰路についた。

 

プラチナ万年筆 バランス シャイン・クリスタル 
中字:M(PGB-3000A #5)f:id:TOMOLION:20170930085223j:plain

 

なんとも実に約10年ぶりの記念すべき万年筆。

 

その後、ジワジワ、ボチボチと

底なしの沼地に足を踏み入れてゆくことなど

この時点では予期すらしない頃の話。

 

追伸>

本当はコンバーターも銀色に揃えた方が見栄えするけれど、今はこれでいいのです。