廉価版デモンストレーター
デモンストレーターの魅力
多様なカラーインクの中から好みの色を選び使う時
使用する万年筆のボディーが透明色で無い限りは
取り敢えず文字を書いてみないと客観的にも何色のインクが出るかすら判らない。
そこで、画期的だと常々思うのはデモンストレーターという代物。
ボディーがスケルトン(必ずしも無色ではない)なデモンストレーターでは
ボディーの中に吸入(セット)されているインクの色が判別できて
更には、おおよその万年筆構造までもがオープン化されており
筆記する楽しみに加えて眺める楽しみさえもが加味される。
まさにデモンストレーションのために考案されたアイテム。
その点、万年筆の価格は、多くのご貴兄がご想像どおりのピンキリ。
福沢諭吉先生5~6人でも相手にならない代物も多数。
しかし昨今、廉価なラインナップ中にも数種のデモンストレーターが存在する。
目下愛用中でもある2本の代物がそれにあたる。
・セーラー万年筆 プロフィットJr. 透明感 中細字(MF)
・プラチナ万年筆 バランス シャイン・クリスタル 中字(M)
冒頭に引用した写真のとおりである。
因みに、左側がセーラー万年筆、右側がプラチナ万年筆。
何れも野口英世氏2~3名ほどで数枚の銀貨と銅貨が返ってくる。
また、何れもステンレス製ペン先(ニブ)のため
筆記する際には大なり小なりのカリカリ感があるけれども
それはそれとして納得している。
もっとも、14金や21金などのペン先がセットされた代物であれば
極細字仕様などでない限りはヌラヌラ、スルスルと用紙の上を滑ってくれるだろうが
当然ながら先立つものも相応に必要だし、今後の楽しみに置いている。
無論、身辺者や知人であるか否かを問わず
通りすがりの善意の人が「是非に」と進呈してくれようものなら拒む由もない。
かくしてこの際、過分な期待もせずに広く門戸を開いておくことにぶさかではない。